名神高速栗東インターから国道４７７号線を走って、およそ３０分。琵琶湖大橋のすぐ手前、１０万平方メートルの広大な敷地が「びわ湖わんわん王国」。緑の芝生や林の中に、木造の施設がバンガローのように点在し、さながらキャンプ場の気分ですが、ここの主役は人間ではなく、ワンちゃんたち。
それも世界各国の犬が約３６０頭。まさに日本最大級の犬のテーマパークなんですね。あちこちのバンガローには、ギリシア神話のアポロンにたとえられる大型犬グレートデーンやアルプスの人命救助で有名なセントバーナード、それに今大人気のメキシコの超小型犬チワワが。
いや、種類も多彩だけれど、この王国が楽しいのは、柵越しに見るだけじゃなく、犬たちと直に触れ合えること。「ふれあいパレス」に入れば、さまざまな犬たちが尻尾をふってじゃれついてくる。旧石器時代にはすでに番犬を飼っていたそうですから、犬と人間は大昔から相性がいいんですね。で、もっと犬と触れ合いたいムキには、お気に入りのワンちゃんと一緒に散歩ができるコーナーも。
ほかにもドッグレースやドッグショーなど呼び物がいっぱい、愛犬家ならずとも楽しめること請け合いです。最後に１３メートルもある木造の犬のおなかを回ってみました。一回りすると良縁がかなうそうですから、その気の人はぜひ。入り口のお賽銭も忘れずに。
王国から湖岸のさざなみ街道を南へ。湖を渡る春風を受けての快適なドライブです。前方の半島に立つスマートな風車が間近に迫ると、そこが草津市の水生植物公園みずの森。周辺は大スケールの蓮の群生はじめ、水生植物の宝庫。花たちの世界をたっぷりと堪能できるのがこの公園なんですね。
まずは展示施設「ロータス館」へ。蓮の歴史や食文化を紹介する映像ホール、古代オリエントの蓮との関わりを紹介する展示室も興味深いけれど、おすすめは温室アトリウム。ここでは夏に咲く睡蓮が１年中開花しています。また屋外の散策路にはこれからの季節、桜、デージー、チューリップが競い合うように咲き誇るとか。琵琶湖の風景にまさに花を添える施設でした。
公園の向こうは琵琶湖博物館。ここでは琵琶湖の成り立ちや生物、人々の暮らしをさまざまな趣向で紹介しています。１７０万年前の化石林、３００年前の黄河象（中国）の巨大な全身骨格、それに昭和３０年代の農村の暮らしぶりは、実物大の家屋を再現。面白いのは夕食風景で、琵琶湖産のギギの煮付け、ナマズや鯉の味噌汁など本物そっくり。館内の水族館では１メートルの大ナマズがゆらりと泳ぎ、子供たちが大騒ぎしていました。
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琵琶湖を背に、草津市の中心街へ。駅前のアーケードはかつての中山道。少し南へ歩いたところが東海道との分岐点で、五十三次の５２番目、草津の宿というわけです。
見どころは何といっても草津宿本陣。現存する本陣では最大級。国の指定史跡で、部屋数が３９室。表門、台所、湯殿、土蔵と、当時の格式には圧倒されます。
そのお向かいの観光物産館「脇本陣」で昼食をいただきました。館内には名物うばがもちなどの即売や観光案内コーナーがあり、見物している間に注文の料理がテーブルへ。いただいたのは名物の七福うどん定食。海老天、卵、のり、ワカメと具だくさんのアツアツうどん。小鉢のあえ物とビールが絶妙の取り合わせでした。
食後は街道筋の草津宿街道交流館へ。何せ江戸時代は本陣２軒、脇本陣２軒、旅籠は７０余軒を数えた大宿場町。多くの人とモノが行き交い、想像以上の文化が花開いたところです。館内には旅籠内部の紹介や道中合羽など旅装束が並び、当時をしのぶにはうってつけ。歴史を知って、琵琶湖周辺の魅力が一段と増したドライブでした。
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▲門構えにも風格が漂う宿場の顔「草津宿本陣」
▲味もボリュームも満点七福うどん定食（草津市観光物産館「脇本陣」で）
▲江戸時代の旅籠を再現した草津宿街道交流館
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名神高速栗東インターから国道４７７号線を経て琵琶湖大橋東の「わんわん王国」へ。次いで、さざなみ街道を走り、水生植物公園、琵琶湖博物館、そして草津の宿へ。全行程３３０キロ。ジャンボタクシーは９人乗り、１時間当たり６８４０円ですから大変お得。小型貸切バスもありますのでお気軽にお問い合わせを。
TEL０５２・３３１・４８８８（直通）
●びわ湖わんわん王国
午前９時半〜午後４時。金曜日（祝日の場合は営業）定休。入場料は中学生以上１８００円、４歳から小学生は９００円。
TEL０７７・５８５・７７７１
●草津市水生植物公園みずの森
午前９時〜午後５時。月曜日（祝日の場合は翌日）休園。入園料は琵琶湖博物館と共通で大人６５０円、高大学生５２０円、小中学生３２０円。
TEL０７７・５６８・２３３２
●滋賀県立琵琶湖博物館
午前９時半〜午後５時。月曜日（祝日の場合は翌日）休館。
TEL０７７・５６８・４８１１（代）
●草津宿本陣
午前９時〜午後５時。月曜日（祝日の場合は翌日）休館。入館料は草津宿街道交流館と共通で大人３２０円、高大学生２４０円、小中学生１６０円。
TEL０７７・５６１・６６３６
●草津市観光物産館 「脇本陣」
午前１０時〜午後５時。月曜日と祝日の翌日定休。七福うどん定食８５０円。天ざる１１００円。５人以上なら、彩りも鮮やかな「宿場の御膳」（要予約）も。
TEL０７７・５６７・０７７０
●草津宿街道交流館
午前９時〜午後５時。月曜日（祝日の場合は翌日）休館。
TEL０７７・５６７・００３０
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