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「本当に私でいいんでしょうか」と、遠慮がちに現れた吉野進也さん(45)。今年1月にデビューしたばかりの新人営業係(乗務員)です。
上司から入社早々、取材対象として推薦を受けたのは、おそらく“将来の有望株”と見込まれたから。というのも、これまでの仕事がとても意欲的。前職はラーメン屋さんです。
実家が車関係の工場を経営していたこともあり、「若い頃から事業欲が旺盛だった」という吉野さん。会社に勤めながら、友人と屋台のラーメン店を始めます。最初は友人に商売を任せ、自分はオーナー的な存在です。
ラーメン・ブームという追い風もあり、事業は順風満帆。そこで自分も会社勤めをしながら、本格的に屋台ラーメン店の経営に乗り出します。開いた店の名前は「ザ屋台」。ご存じの方もたくさんいらっしゃるのでは…。
自家製のコチジャンを使った台湾ラーメン風の「大吉ラーメン」が大ヒットし、有名なタウン誌に「おいしい店」として紹介されたこともあります。店のテーブルに落書きができるという面白さが受けて、男性ばかりでなく、女子学生にも親しまれました。
しかし共同経営が難しくなり、やむなく店を閉じることに。
また事業とは別に、介護にも関心をもっていた吉野さん。仕事の合間を縫って、ヘルパー2級の資格も取得していました。新天地として介護関係の仕事を探しますが、希望する収入と仕事内容が思うように見つかりません。
そこで「名タクなら介助タクシーをやっているし、大きな会社だから安心」という奥さんの勧めで、名タクへの入社を決意。昨年11月から教育センターで研修を受け、12月には2種免許試験に合格しました。
「名タクは社員教育がしっかりしており、職場の雰囲気も和気あいあいで、居心地がいい」と、転職の成功を実感する吉野さん。ハンドルを握って2ヵ月あまりですが、店経営で学んだ接客のノウハウは、今の仕事にも生かされており、「いろいろなお客さまにお会いできるのが一番の魅力です」。
そして「自分なりに工夫をして、1歩ずつ階段を上がるように、営業成績を上げていきたい」と、職業は変わっても、仕事に取り組む姿勢は相変わらず意欲的です。
「経験を積み、将来は介助タクシーの仕事を」との夢も膨らませていました。 |
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