この記事は2003年3月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

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(株)メキシコ観光 メキシコオフィス 取締役営業本部長

 国の中部からアメリカの国境まで広がるアナワク高原。標高2260メートルのこの高原上にあるのが首都メキシコ市です。人口はおよそ850万人、世界有数の大都市なんですね。

 他の大都市と同じようにメキシコ市も車社会。タクシーも需要が多いのはいうまでもありません。

 ビジネスマンはもちろん、メキシコ名物テキーラでいい気分のときも帰宅の足代わり。それどころか通学用に小学校や中学校の子供たちも利用します。それくらい需要度も高いし、それくらい手軽な乗り物なんですね。

 だからタクシーも法人あり個人ありで、見つけるのに苦労することはありません。人の集まるところ、公園やホテル、有名レストラン、デパート、病院、学校の前にはシティオと呼ぶ乗り場が必ずありますから。

 電話で予約、そして無線で配車するタクシーや、流しのタクシーがあるのも日本と同じ。路上で手を上げるとき、人差し指を立てて合図するのがメキシコ流ですけれど。唯一、日本のタクシーと違うのは車両でしょうか。フォルクスワーゲンの通称カブトムシ、日産のサニーが一般的で、地方へ行くとバンタイプの乗合も見かけます。新車は少ないから、日本のタクシーに慣れた人はちょっと戸惑うかもしれません。

 ホテル前に止まっている観光用はまあ小奇麗ですが、通常はバックミラーがなかったり、シートに穴があいていたり、窓ガラスが割れていたり……。私が初めて乗ったのはワーゲンのビートルでしたが、なんと助手席がない。そこが荷物トランクというわけです。

 でも車両にさえ慣れてしまえば、メキシコのタクシー、とくにシティオでの利用は安全でおすすめです。ラテン系のお国柄か、ドライバーが陽気で話し好き。乗り込んだとたん、日本語やスペイン語のミニ講座が始まるに違いありません。

 またドライバーの経歴が多種多様なんです。失業率が高いという事情もあり、「実は私は医者なんだ」とか、元教育者、元大企業の部長など多士済々。それに人一倍家族愛が強いのもメキシカンドライバーのいいところ。ルームミラーに赤ちゃんの靴がぶら下がっているので、理由を聞くと、「運転中いつも息子と一緒にいたいから」という返事でした。こんなせりふを聞かされたら、初めて訪れた人でも、いっぺんにメキシコが大好きになってしまうでしょうね、きっと。

【メキシコ市のタクシー料金】
2ドア・セダンタクシーは初乗り料金4.6ペソ。4ドアセダンは同5.6ペソ。夜間割合は20%。空港から中心街まで30分で、おおよそ50〜80ペソ(渋滞の度合いによる)。チップは必要ありません。メーター表示の料金を払います。1ドル=10ペソ=¥120

メキシコのタクシー



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