この記事は2003年6月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

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 名タクに入社してまもなく半年。仕事のコツも分かりかけ、「成果が上がった日は楽しい」と語るのが、営業係(乗務員)の中島隆さん、45歳です。

 身長181センチ、体重90キロという堂々とした体格で、かつて愛知県パワーリフティング選手権大会の82・5キロ級で2位入賞という好成績を納めた“力持ち”でもあります。

 この競技は、オリンピック種目にあるウエイトリフティングによく似ていますが、まったく別のもの。

 バーベルを肩に担ぎ、しゃがんで立ち上がるスクワットと、台の上に寝て、胸の上でバーベルを持ち上げるベンチプレス、床のバーベルを垂直に持ち上げ、足と背中が伸びるまで引き上げるデッドリフトの3種目で、持ち上げた重量の合計を競うものです。

 選手時代の中島さんは、スクワット200キロ、ベンチプレス130キロ、デッドリフト210キロの、合計540キロを持ち上げていたそうです。

 27歳でパワーリフティングと出会い、30歳から33歳まで選手として活躍。競技生活を引退したあとは、もっぱら趣味として楽しみながら、ジムで後輩の指導にあたっています。

 地味で過酷なスポーツのように思いますが、「一番の魅力は、努力の成果がはっきりとした数字になって出るので、練習のやりがいがあること」と中島さん。一人で黙々と練習する個人競技であることも、気に入っているそうです。このあたり、タクシーの仕事とも共通しているようです。

 そして、もうひとつの魅力が、「たくましい体型になれること」。実は中島さん、子供の頃はいわゆる“もやしっ子”。20歳の時でさえ、体重は56キロしかなかったそうです。「華奢(きゃしゃ)な体型が嫌で、なんとか筋肉をつけたいと思っていたんです」。

 練習のかたわら、栄養学も独学。筋肉をつけるには“低カロリー高たんぱく”が基本と、鶏のささみや胸肉、卵の白身、野菜は栄養豊富なブロッコリーを中心に、食生活もコントロール。その結果が冒頭の体重であり、成績です。

 今は「タクシーの仕事に早く慣れること」を優先していますが、しばらくしたら、またジムに通って、心地よい汗を流すことを楽しみにしているようでした。



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