この記事は2003年9月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

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中国東方航空グループ CIKワールド 名古屋事務所長

 上海は長江の河口南岸に広がる中国最大の商工業都市。市街区だけでもおよそ1000万人が暮らしています。それに学術や文化の中心地でもあり、国内はもちろん世界からビジネスマンや観光客が訪れます。

 それだけに商談先や空港、観光地へとタクシー利用の機会は多いですね。

 上海にはおよそ4万台のタクシーが走っています。個人タクシーはなく、走っているのは必ずどこかのタクシー会社のもの。そのうち大手といわれるのは5社で、それぞれ車両が色分けされています。中でも薄緑色の「大衆」社は最大手、約7000台を所有しています。

 その利用法は2通りで、乗り場に行くか、電話で依頼するかのどちらか。街を歩いていると、大通りのバス停脇やホテル、デパートの前に「出租車揚招点」と書かれた看板が目につきますが、それが乗り場というわけ。

 大手タクシーのドライバーはみんな礼儀正しくて親切ですから、ご心配なく。質問にはなんでも熱心に答えてくれるし、もし上海が初めてとわかれば、おいしいレストランも紹介してもらえます。降りるときも「ご用の際はお電話を」と名刺をわたされるほどで、この商売熱心さも上海タクシーの特徴でしょう。

 この名刺、あるいは領収書はぜひ受け取るべき。実は数年前、ホテルから空港へお客さまをお送りしたとき、うっかりタクシーに重要な書類を忘れたんです。領収書をもらわなかったので調べようもありません。で、ホテルに戻り、タクシー乗り場のドライバー氏に(期待もせずに)尋ねたところ、なんとそれがご本人。無事、書類も手元に戻った次第ですが、広い上海のタクシーの数を考えると、これは奇跡に近い確率なんですね。皆さんはそんな冷や汗をかきませんように。

 タクシーのサービスぶりについてもう少し。上海ではサービス水準向上のために、上海市客運処がタクシーを「星」の数でランクづけするシステムがあるんです。経験年数が1、2年のドライバーなら1つ星か2つ星。その後技能試験をパスするたび昇格します。外国語の会話力ももちろん技能の重要項目。今、上海には最高級の5つ星をつけたタクシーが300台あるそうです。このドライバー氏にお願いすれば上海旅行の楽しさも倍増すること請け合いですね。

 上海では春先から吹き荒れたSARSがやっと終息、旅行者も徐々に増えてきています。ぜひ訪れて、中国最大の街の魅力を堪能してください。

上海のタクシー料金
3キロ以内は基本料金RMB(人民幣)10元、その後1キロごとに2元が加算される。夜間の場合は基本が13元、超過は1キロごとに3元。チップは不要。都心から浦東空港までは1時間ほど、約150元、虹橋空港までは20分ほどで20元。(RMB1元=約15円)

上海市内のタクシー



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