この記事は2004年3月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

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 メープルファンツアーズ トロント支社長 ツアーコーディネーター

 トロントはカナダの中東部、五大湖地方のオンタリオ湖岸に拓けた街。港もあるし、交通の要地でもあり、カナダ最大の都市として発展してきました。

 人口はおよそ70万人ですが、日本と違うのは歴史的に多彩な国々の人たちで構成されていること。フランス系あり、イギリス系あり、そしてドイツ、イタリア、中国系あり。街中を走るバスや路面電車に乗れば、特徴がたちまち実感できるんじゃないでしょうか。

 その交通機関では、タクシーも主役のひとつ。トロントでは車両をタクシー会社からレンタルし、個人で経営するというのが基本。夜遅くの帰宅や悪天候のときは大いに利用されています。また空港の駐車場が割高のため、空港へはタクシーでという人が多いですね。

 それに親切なタクシードライバーが多いから、市民ばかりじゃなく観光客にとっても大変便利。

 タクシー乗り場がありませんから、依頼は電話が一般的。でも駅前やホテルの前には並んでいるし、路上では手で合図すれば止まってくれますから、心配はありません。

 車両はとてもカラフル。シボレーやフォード、トヨタ車を黄色や赤、オレンジや紺色で塗り分けてあり、目立つことこの上なし。最近では新しい車両も増えてきましたから、気分よくシートに腰を下ろせます。

 そうそう、車内は全車禁煙ですが、愛煙家の方は一言尋ねてみる価値はありそうです。「どうぞどうぞ、私も吸いますから」とウインクを返すドライバー氏もいますから。

 ところでこのトロント、多国籍が特徴だけに、今でも多くの外国人が移り住み、その数は市民の44%にものぼるほど。とくにタクシードライバーは圧倒的に移民の人たち。インド、パキスタン、イラン、セルビアなど中東や東欧系が目立ちます。中にはイスラム教徒のドライバーがやおら車を停め、ゴザを敷いてお祈りを始めたり。観光で訪れるなら、タクシーを利用するだけでも、印象深い体験が増えるかもしれませんね。

 民族性豊かなトロントには、中華街はじめイタリア人街、ギリシア人街、韓国人町、ポルトガル人街などがあって、さまざまな食文化も楽しめます。

 その上、世界一のCNタワー(553メートル)、大リーグブルージェイズのスカイドームもあるし、すぐ近くには名高いナイアガラの瀑布も。ぜひ一度訪れてみてください。

【トロントのタクシー料金】
基本料金は2ドル75セント。夜間や休日の割増はない。トロントの中心部から空港までは約30キロ。所要時間は30分でおよそ40ドルほど。料金の10〜15%のチップが必要。1ドル=約83円。



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