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アジア中央に広がるモンゴルの大草原。その真ん中の標高1300メートルの高地にあるのが首都ウランバートルです。
ウランバートルとはモンゴル語で「赤い英雄」のこと。さすが遊牧民族が大活躍した歴史を感じさせる地名ですね。
もっとも現在では牧畜より鉱工業が盛んになっています。とくに92年以降は市場経済が急速に活発化し、首都には全人口の半分近くの100万人が集中するほどになりました。だから街並みもつい一昔前の牧歌的な雰囲気とは大違い。レストランや食料品店が建ち並び、韓国語や中国語の看板が林立しています。
今では大通りは自動車の渋滞も日常茶飯事。ウランバートルにはバスも運行していますが、待ち時間が長いし、おまけにいつも混んでいますから、自動車が一番の交通手段なんですね。
だからタクシー利用率も高いんです。料金も安いから、通勤通学もタクシーで、という人たちも多いんです。 タクシーは会社経営が中心ですが、独特なのがその運営システム。ドライバーは入社するとき、会社に車のリース料を支払います。その後は毎日のように一定のマージンを支払い続け、何年か後に契約のお金を払い終えると、車両をもって晴れて独立という寸法です。
もちろん利用する側はほかの国と変わりません。市場やデパート、空港、ホテルにはタクシーが行列していますし、電話でも呼べるし、手をあげても停まってくれます。
車両は韓国製がほとんどで、黄色と青色に塗った中古車ばかり。外見はきれいとは言いがたいですが、車内は意外と清潔ですからご安心を。
ただしドライバー氏は猛者が多いから(笑)要注意でしょうね。年齢は30歳から50歳の働き盛りの男性が圧倒的。なにしろ歴史に名高い騎馬民族の子孫です。大モンゴルを一目散に疾走したいという血が騒ぐのでしょうか、運転もマナーも、まさに向かうところ敵なし(笑)。
ところがお客も負けていません。酔っ払って郊外から無線で呼び出し、ついでに途中の店で酒を買ってこいとドライバー氏にいいつける豪傑もいるほど。もちろんすべてのドライバーやお客がこうじゃありません。それに日本からの旅行者なら、最近は大相撲という格好の話題がありますからね。モンゴル勢の活躍ぶりで盛り上がれば、気持ちよく運転してくれますよ、きっと。
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ウランバートルのタクシー料金
基本料金は1キロメートル当たり250〜350トグルグ。都心からチンギスハーン国際空港までは7000〜10000トグルグ(空港から帰りの回送料金を要求されることもある)。所要時間は40〜50分。夜間休日割増なし。チップは原則不要、気持ち次第で。1円=約10〜11トグルグ。 |
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