この記事は2006年12月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

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 店先や玄関先にちょこんと座り、前足をあげて「おいでおいで」。お得意のポーズで親しまれる招き猫たちが勢ぞろいしたユニークな博物館が瀬戸市に誕生、観光客の人気を集めています。郷土玩具から骨董の珍品まで展示された猫は数千匹!一目見るだけでも相当なご利益が期待できそうですね。

招き猫の量産は瀬戸市が先駆け
 招き猫のあのポーズは、昔の中国の「顔を洗う猫の手が耳を越せば客が来る」という言い伝えから生まれたそうです。それが日本では招き猫になった。江戸時代末期には土でこしらえた置物が縁起物として大流行したとか。
ちなみにご利益にも区別があって、右手あげならお金招き、左手なら人招き。なかには欲張って両手をあげた猫もいますけれど。

 「小判を抱えて頭でっかちで目が大きい。このイメージが定着していますが、これは戦後の常滑生まれ。実はそれより以前、明治後半から瀬戸で招き猫が作られていたんです」 

招き猫量産は瀬戸が全国の先駆け、とミュージアム広報担当の井上美香さん。

 縁が深いというので11年前からは秋に「来る福招き猫まつりin瀬戸」を開催。勢いに乗り昨年3月には「招き猫ミュージアム」を開設したというわけです。

 そのミュージアムは名鉄尾張瀬戸駅近く、瀬戸川沿いにある2階建て。大正時代の洋風モダンな雰囲気で木造の室内がとても心地がいい。

 1階が販売コーナーとギャラリー、喫茶。2階にあがると約2500匹もの招き猫が迎えてくれる寸法です。

千差万別、個性的な猫たちがいっぱい!
 このすべてが個人コレクションだそうですが、さすが長年かけての収集品だけに、魅力的な猫たちばかり。親指大の猫もいれば1メートルの張子もいる。堂々とした木彫り猫の足元にはお賽銭まであげてありました。

 「郷土玩具、陶芸作品、それにお菓子のおまけまで。見るだけで楽しいですよ」と井上さん。

 展示テーマもいろいろ。たとえばずばりご利益のある寺社の猫コーナー。大阪住吉神社のは羽織姿。徳島のお松大権現の猫は受験合格やスポーツ優勝祈願向け。それに荒れ寺を再興した東京世田谷の豪徳寺の白猫など、それぞれが個性豊か。

 個性なら九谷焼の猫たちも負けていません。なんと横座りして、まつげもなにやら色っぽい。磁器の肌に五彩や金色で複雑な文様も描かれています。

 ほかにも小判ならぬ弁財天を抱きかかえた猫もいるし、十二支それぞれの福招きの特別展示もありました。来年の「招きイノシシ」も楽しいですよ、ぜひご鑑賞のほど。

 また見るだけでは芸がないという向きには素焼きの猫にお好きな絵を描く「染付け体験」がおすすめ。世界に二つとない絵柄ですから、ご利益も期待できそうですね。

 そうそう、肝心のセトモノの招き猫はというと。「頭が小さくて、おまけに猫背(笑)。リアルさが特徴なんです」とのことでした。


DATA−招き猫ミュージアム
開 館午前10時〜午後5時
休館日毎週火曜日と12月29日〜1月4日
入場料大人300円 大学・高校生200円 中学生以下は無料
      「染付け体験」は400円から600円
      (随時開講なので要確認)
来春まで特別企画展
「招いているけど猫じゃない〜犬もねずみも福招き〜」開催
所在地瀬戸市薬師町2番地
TEL0561・21・0345


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