この記事は2008年3月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

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 南アフリカ共和国(南ア)といえば鉱物資源の宝庫。とくに金やダイヤモンドの世界的産地として有名です。黄金の国ジパングもここでは顔色なしというところですね。

 その金鉱が19世紀に発見され、以来ゴールドラッシュで発展したのがヨハネスブルグ。今では人口300万人以上、首都プレトリアに次ぐ大都会になっています。

 ここは南アの東部、標高1753メートルの高地なので気候はとても穏やか。真夏の1月でも最高が26度、冬でも平均16度。過ごしやすいですよ。

 ただし公共交通機関は安心して乗れるシロモノではありません。鉄道も整備され、電車も走っていますが、時刻表はちぎれて影も形もない。いつ到着するのか予測が立ちません。もちろん地元の人が利用するわけですが、車内ではスリやカッパライが日常茶飯事。だから地元民も交通手段はタクシー利用が多いですね。

 そのタクシーは個人タクシーと乗合タクシー(ミニバス)の2種類で、地元御用達は後者の乗合のほう。通称ブラックタクシーというハイエース型バンで、街中を我が物顔に走っています。

 このミニバス、定員が14人で出発場所で定員に達しないと走り出しません。急いでいる場合はちょいと困りますね。

 さて利用客が集まり、「サオボーナ、グンジャーニ?」(当地のズールー語でこんにちは、お元気?のこと)とみんなが挨拶をかわし、さあ出発。ユニークなのは運賃の払い方で、後部座席の人から順にお金を前の客に渡し、運転手へと届けます。おもしろいからぜひ一度体験をといいたいですが、いつパンクするかわからないポンコツハイエースに14人、多いときはなんと19人も乗るのですから、よほどのヒマ人でなければ避けたほうが無難というもの。

 やはり観光客向けは個人タクシーが一般的でしょう。個人といっても運転手は雇われ人で、オーナーは別にいるようです。乗り場は空港やホテル、ショッピングモールなど。レストランや外出先で呼ぶことももちろんOK。車両はベンツやトヨタが中心で、空港タクシーはすべてベンツですから安心してご利用を。

 その快適なタクシーで郊外を30分も走れば大自然の真っただ中。永遠に続くかと思うような青空、そして緑一色の山や谷。日本とはケタ違いの圧倒的というべきスケールで迫る大地がアフリカの魅力なんですね。興味があったらぜひ。退屈しないこと請け合いですから。

ヨハネスブルグのタクシー料金
個人タクシーの基本料金は70ランドが目安。メーターもあるが事前に料金交渉をするのが一般的。夜間の割増も交渉で決まる。ヨハネスブルグのダウンタウンから空港までは200ランド、所要時間は30〜40分。ちなみにミニバスは初乗り5ランド。都心から空港までは10ランドほど。1ランド=14.5円(2月現在)。



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