この記事は1998年6月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

ジャンボタクシーで行く

ジャンボ1日ドライブ!

 

 

蔵の街に焼き物の街。

緑が薫る初夏の知多半島で

伝統文化のフルコースを楽しむ!!

 潮風と青い海、そして新緑の丘陵地に日差しか弾ける知多半島この半島の東と西で、それぞれ独自の文化を育ててきたのが半田市と常滑市。酒造りに焼き物に…、両都市には伝統に触れるための施設がいっぱい。仲間たちとおいしいお酒を飲んで、焼き物市をぶらついて。9人乗りのジャンボタクシーにピッタリのドライブコースを楽しみました。

 

南吉童話と酒造りが半田の見どころ

 名古屋都市高速からそのまま知多半島道路に乗り入れて40分。半田北インターを出て、まずは半田市の生んだ童話作家・新美南吉記念館へ。インターからわずか5分。ドライブの手順としても申し分ありません。

 記念館は平成6年にオープンしたばかり。建物は全国からの公募で選ばれたもので、なんともユニークなデザイン。なだらかな芝生の丘にしか見えないものが、実は建物で、見学者は入館の前から、南吉の不思議な童話の世界にひっぱり込まれてしまうかのようです。丘を回り込み、ガラス張りの入り口ヘ。丘をくり抜いたような館内は、ひょっとすると名作「ごん狐」の巣をイメージしたのかもしれません。集められた自筆原稿や日記のほか、作品のビデオ上映もあり、家族連れにも好評とか。

 この新美南吉とともに半田を代表するのが酒や酢造り。JR半田駅近くの「酢の里」でミツカンの「酢の博物館」と国盛「洒の文化館」は見逃せないポイントです。半田の清酒と酢は江戸時代から有名で、酒は江戸と上方の中間に位置したことから「中国銘酒」として喜ばれたそうです。

 その150年前の酒蔵をそのまま開放したのが「酒の文化館」。館内には大樽やひしゃくなど当時の道具のほか、酒造りの工程を紙人形で紹介するコーナーも。説明を受けたあとはお待ちかね、かの「中国銘酒」の試飲を。すっきりとして、喉を滑るような柔らかさ。江戸期の珍重ぶりが納得できます、本当に。

 今回「酢の里」(電話予約が必要)は回れず、次の機会に譲りました。

 

珍品・味噌だれのザルソバを体験

 半田市をあとに、今度は知多半島を横断して西側へ。昼食にと立ち寄ったのが、これも江戸時代の醸造蔵を改造した「味の館」。清酒、味噌、たまりで知られる盛田のお店。常滑市の南小鈴谷(こすがや)の海岸通り沿いに、一際目立つ煙突が目印です。

 この日はちょうど大潮。目の前の砂浜では潮干狩の真っ最中。遠浅の海のあちらこちらで、にぎやかな歓声が上がっていました。

 木のテーブル、椅子で統一された店内は、天井が高く広々としています。メニューは伝統の味噌料理が中心。おでん、田楽をさかなに、これも伝統の清酒「ねのひ」をゴクリ。かすかに流れ込む潮の香りを感じながらの酔い心地。ハンドルはプロにお任せのジャンボタクシーだからこその楽しみです。仕上げには味噌風味のつゆでいただくザルソバを。食後は焼き物巡りに出発です。

 

散策に買物に、焼き物の街を堪能

 国道247号線を北上、常滑の中心部へ。日本最古、最大の窯場として平安末期から栄えてきた焼き物の街。とくに江戸時代には土管の量産で名を高めただけに、市街のあちこちにうず高く「商品」が積まれ、独特の街の風景を作っています。

 その雰囲気を肌で感じたいなら「やきもの散歩道」を歩くのが一番。徒歩40分のコースもあって、ドライブの休憩気分で楽しめます。その散歩道の南端にある「窯のある広場」はおすすめ。資料館には古い洋風建築を飾ってきたテラコッタや染付古便器の展示品が、まるで窯の中のような室内に幻想的に陳列されています。隣の「世界のタイル博物館」は対照的にモダンな雰囲気。広場横にはこれもユニークなトイレが主役の「とこなめトイレパーク」があって、焼き物と文化と生活の関わりが身近に感じられる仕掛けになっています。 さて見るだけでは物足りないというわけで、最後はセラモール(とこなめ焼き卸団地)へ。お値打ち価格の巨大なショッピングモール。日用品から作家の作品までがずらり。陶芸好さなら、17店舗の広い店内を見て回るだけでもワクワクしそうです。

 伝統と文化が心の中に染み込んだドライブでした。 知多半島道路の半田北インターから新美南吉記念館を経て半田市街へ。酒の文化館のあと、半島を横断して常滑市へ。全行程110キロ。ジャンボタクシー料金はおおよそ1時間当たり7100円。計画により詳細は別途ご相談に応じます。

 ハイヤー営業基地 052(331)7874

●新美南吉記念館 午前10時〜午後5時30分

210円(中学生以下は無料)

月曜日、毎月第2火曜日休館

0569(26)4888

●国盛「酒の文化館」午前10時〜午後4時

入館無料。試飲コーナーでは絞りたての酒も楽しめる

木曜日休館

0569(23)1499

●盛田「味の館」

おでん定食800円、味噌風味ザルソバ600円、五平もち200円、吟醸生酒500円ただしビールは置いてない

午前10時〜午後4時

毎週水曜日休館

0569(37)0733

●窯のある広場・資料館・世界のタイル博物館

午前10時〜午後5時

2館共通で一般500円 高・大学生300円 小・中学生200円

月曜日、夏期休館

0569(34)6858

(同資料館)

0569(34)8282

(同博物館)