この記事は1998年12月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

大島 弘社長の名タク招待席

名古屋タクシー協会

時代のニーズを先取り

 今回は名古屋タクシー協会です。お客さまの身近かな存在でありながら、意外と知られてないのではないでしょうか

  昭和区 滝子町、愛知県自動車会館1階。ここに「名古屋タクシー協会」の事務所があります。

 協会に加盟しているのは名古屋交通圈域(名古屋市と周辺の一部)にある全てのタクシー会社。個人タクシーは協同組合単位で入っています。合わせて会員数は現在、97会員。ちなみに当社の村手会長は、協会長を務めています。名古屋で「タクシー稼業をしたい」と思ったら、だれでも協会に登録し、協会発行の乗務員証を車内に掲示しなければいけません。「そんなものァ知らない」というタクシーはモグリなのです。

 ルルル…と協会事務局の電話。「タクシー車内に忘れ物をしちゃったけど、どこの会社のタクシーか分からない。どうすれば……」。こういう電話が月に約70件。事務局では受付票に記載し、月ごとに集計したものを全会員に照会します。ちなみに平成9年度一年間では問い合わせが843件、うち現金の申告総額は1200万円にもなりました。

 ルルル…とまた電話。「運転手が不当な運賃を取った! どこの会社? そんなこと分からん」。今度は苦情です。会社が不明のときは、手のほどこしようがありません。しかし名古屋を走るタクシーの質を上げるのは、協会の大きな課題。こういう苦情をなくすために管理者セミナーを開いたり、街頭でパトロールをしたりもしています。一般公募モニターによる実態調査もその一環。今年で5年目になりました

 左党におなじみ「錦三」繁華街。9月29日からタクシー乗り場が大移動しました。従来は繁華街のエリア内に21カ所。これが全部なくなり、周辺部11カ所に移りました。

 「錦三」の交通渋滞を緩和するために、タクシーを何とかできないか。愛知県警の要請を受けて、協会では昨年暮れにプロジェクトチームを編成、現地調査を重ねました。「店から出たらすぐタクシーに」というお客さまの利便性と、交通渋滞の緩和と。二つを満たす場所として県警と協議の結果、現在地に落ちついたのです。

 こういうタクシー乗り場の設置をはじめ、乗り場の管理や運営も協会の仕事です。ポーターの派遣から日覆いの設置、修理まで、お客さまのニーズを先取りするのが基本。

 ニーズが膨らむ行事のあるときは、臨時タクシー乗り場を設置します。2月の節分会のときの笠寺観音、7月の大相撲名古屋場所が開かれる愛知県体育館。「ここでタクシーに乗れたらいいな」という所に乗り場が出現するのは、決して各施設がやっているわけではありません。

 お正月ももうすぐ。熱田神宮へ初詣でにお出かけの方も多いことでしょう。お帰りの「足」は、ぜひタクシーで。臨時乗り場は東門と西門に設置されます。待ち合わせ場所の目印にも、せいぜいご活用ください。