この記事は1998年12月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

タクシー業界用語辞典

 
タクシードライバーの世界にもある秘伝の業界用語。さて、あなたはご存じでしたか?

「エントツ」

 お客さまを乗せたのに料金メーターを入れず、適当な料金を取って、会社に内緒でネコババすること。

 昔の料金メーターは旗のように「空車」マークが棒の先につけられ、横に倒すとメーターが動く仕組みになっていました。これをお客さまが乗っているのに立てたままであることから、「エントツ」の呼び名がついたのです。今のメーターはボタンをピッと押すだけですから、この用語も時代とともに消えゆく運命にあります。

「詰め込み」

  定員以上のお客さまをギュウ詰めにするのではなく、競馬場や競輪場などで、相乗りさせること。「地下鉄○○駅まで、一人○○円だよ、乗って乗って」という例のパターンですね。今のところこれは違法行為になるため、当社ではやっていません。ハイ。

「お下がり」

  配車注文を受けて駆けつけたところ、「もう必要なくなった」。「えっ、ウッソー!」ということになりますが、こういうときはケースによって、規定の料金をいただくことがあります。それ以外に、いくらかの心付けをご好意でいただくのが「お下がり」。アクセントの位置によっては、「下がりなさい」の意味にもとれますが――。