この記事は2002年3月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

名タクズームイン

【インターネット・ITS実証実験中!】

インターネットも使える夢の「近未来カー」

 名古屋で1月から、インターネット・ITS(高度道路情報システム)の実証実験が始まりました。走っている車のなかでインターネットが自在に使える、という夢のような時代に向け、全国で初めてタクシーでの実験が行なわれているのです。

 これは経済産業省の支援のもと、インターネットの世界的なリーダーといわれる慶應義塾大学・村井教授の研究所と、トヨタ、デンソー、NECによる共同研究グループが二十億円の予算をかけてプロジェクトを推進。実験では名古屋タクシー協会が窓口になり、名古屋市及び周辺部で1570台、名タクからは511台が参加しています。

 実験のカギを握るのは、タクシーのトランクに積み込んだ車載器。

 タクシーの現在位置、スピード、ワイパーの動き、実車か、空車かなど、様々な情報がこの車載器から情報センターに送られます。これにより道路の混雑状況や降雨状況などが一目で分り、名古屋の道路交通に役立てることができるわけです。さらに位置情報などから、配車注文にもいち早くお応えすることができます。

 もう一つ、お客様にとっての大きな魅力はインターネットカー。 運転席と助手席の枕の間に設置されたインターネット画面には、約500m以内にある観光施設やお店の情報、あるいはその日のニュースなどが、自動的に流れる仕組みになっています。また画面にタッチして自分で検索することもできます。ただしリアルタイムでの交信は、今後の課題に残されています。

 このインターネット画面を設置した車の他、ナビをメータ器の横に設置した車もあり、お客様が走行位置を確認することができます。

 プロジェクトの最終目的は、走行中の車内でいつでも、どこでも、インターネットの利用を可能にする技術開発であり、言い換えればネットワーク型ITSの可能性を探ること。 その射程にあるのが、2004年に名古屋で開かれる「ITS世界会議」です。世界中から集まるITSの専門家に、この名古屋発の先進システムを体験してもらいます。

 さらに大きな標的と言えるのが2005年の愛知万博。諸外国からの来場者が、タクシー車内でいつでもインターネットにアクセスでき、リアルタイムで電子メールを交換したり、観光案内情報を見たり、またホテルの予約なども自国語でできるようなサービスが現在検討されています。

 名タクのインターネットカーは名古屋駅前名鉄百貨店横にある乗り場が拠点。お乗りの機会があったら、ぜひご注目ください。近未来にトリップできるはずですから。