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伊勢神宮の内宮へは、伊勢自動車道伊勢西インターからほんの数分で到着。広場の向こう、黒々とした森を背景に大鳥居が立ち、そこから木造の橋が弓なりに延びています。
これが宇治橋で、神域への入り口。下を流れる五十鈴川の両岸は深い森。ついうしろに観光バスがつらなっているのに、橋上はすでに深山幽谷の気配、俗界と聖界が鮮やかに切り替わります。
橋をわたれば表参道。玉砂利を踏みしめて正宮へ。伊勢の内宮は正式には皇大神宮といい、全国の氏神さまの総元締め、天照大御神を祭るところ。ちなみに少し市街地寄りにある外宮(げくう)は衣食住の神さま・豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祭り、神さまへの食事を作るために、今も錐で火を起こしているそうです。
玉砂利の道の両側は樹齢700年という杉の巨木がずらり、その奥深くに石段があり、登りきったところが正宮。むろん内部は立ち入り禁止で、神さまのお住まいを柵越しに見ながら拍手(かしわで)を打つ寸法です。新年はすぐ目の前だけに、打つ手にも力がこもりますね。
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もう一度宇治橋をわたり、表玄関の広場を横切ると、その先がおはらい町。お伊勢参りの人たちが必ず歩く表通りで、ご存じ赤福をはじめ、豆腐屋、茶店などの老舗が両側に立ち並んでいます。
中でも「赤福」は300年以上前から、この門前町の看板商品。これだけ長続きしているのもお伊勢さんの「おかげ」というわけで、平成5年、新たに誕生した観光名所を「おかげ横丁」と名づけたのだとか。
おはらい町の中ほどを横に折れると、そこが話題のおかげ横丁。伊勢の古い町並みを再現したエリアで、名物料理や土産店39店が軒を並べています。どの店先も観光客で大にぎわい。冬の陽だまりが心地いい茶屋の縁台では、あちこちのお店の名物を持ち込んで、ほおばるグループで大盛況でした。
なつかしい玩具、組紐、団子など、店巡りも楽しいけれど、とりわけ興味深かったのが「おかげ座」。射的やキセル煙草屋、招き猫専門店が並ぶ界隈の奥に構えた、芝居小屋風のひときわ目立つ建物で、館内では江戸時代の参宮のにぎわいを模型や映像で再現しています。女性ガイドが解説してくれますが、それがユーモアたっぷりの名調子。60年に一度という「おかげ参り」では、文無しの旅人でも宿泊、食事が無料提供されたとか、たちまち「伊勢通」になること請け合いです。
さて、お待ちかねの昼食は横丁の「海老丸」で。同店は伊勢の海の幸の専門店。いただいたのは人気の海鮮丼定食。エビ、イカ、ホタテなど具沢山の丼に、カニやアサリ、サトイモなどの漁師汁。小鉢のサザエの粕漬がビールにぴったりで、お伊勢参りは(運転無用の)ジャンボタクシーに限ると、まさに実感のひとときでした。
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▲イベント広場では和太鼓の演奏を楽しめる。
(おかげ横丁)

▲海鮮丼定食はボリューム満点!(海老丸で) |
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再び伊勢自動車道でお隣りの玉城インターへ。田園を縫う農業道路を10分も走ると、そこが自然公園「アスピア玉城」。森や池など自然環境が広がる中に、さまざまな施設が点在しています。
地元農家の直売店、ソーセージの手づくり教室、パン教室、バーベキューハウスのほか、地形を利用したマウンテンバイクのコースも子どもたちに大人気とか。
で、もう一つ、大人に人気なのが温泉施設。広いガラス窓から山の景色を眺めながら、浅めの浴槽で手足を伸ばす。今年1年の疲れが溶けていくようで、年の暮れにふさわしいドライブになりました。
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▲自然がいっぱいのアスピア玉城。右手の建物が温泉施設。
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東名阪自動車道から伊勢自動車道を経て、伊勢西インターから伊勢神宮へ。再び伊勢自動車道に乗り、玉城インターからアスピア玉城へ。全行程260キロ。ジャンボタクシーは9人乗り、1時間当たり6840円と大変お得。小型貸切バスもありますのでお気軽にお問い合わせを。
TEL052・331・4888(直通)

●伊勢神宮(内宮)
参拝は自由だが1月、2月のみは午後5時半〜翌午前5時まで夜間参拝停止。ただし12月31日〜1月6日までに限り24時間参拝ができる。
TEL0596・24・1111(代)
●参宮歴史館おかげ座
午前10時〜午後4時。無休。入場料は大人600円、小人300円。
TEL0596・23・8844
●海老丸
午前11時〜午後5時。無休。海鮮丼定食は具沢山の丼、豪快な漁師汁に小鉢2品、漬物つきで2000円。ほかに漁師汁とご飯800円、エビフライ定食2000円も人気。
TEL0596・23・8805
●アスピア玉城
ふれあいの館・玉城弘法温泉は午前10時〜午後8時(受付は7時まで)。毎週水曜日と年末年始休館。入浴料は大人500円、子供350円、65歳以上350円。
TEL0596・58・8800
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