この記事は2005年9月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

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世界に誇るノリタケの陶磁器製品、それに尾張七宝焼の多彩なきらめき。いずれも名古屋とその近郊で発祥した工芸品です。その歴史と作品紹介だけじゃなく、創作体験まで楽しめるのが「ノリタケの森」と「七宝焼アートヴィレッジ」。プロのドライバー「なごやかガイド」の案内なら、道中も楽しめること請け合いです。 　宿泊先でもどこでも都合のいい場所から出発できるガイドタクシー。今回は名古屋駅前の名鉄百貨店からスタート。ここから「ノリタケの森」までは１０分足らず。出発点には最適ですね。 　なごやかガイドの小川芳樹さんは、すでに１０組以上のお客さまのガイドを務めたベテラン。物腰も言葉遣いもソフトで、気持ちがいい。快適な道中間違いなし。 　さて「ノリタケの森」は赤いレンガの建物と、地面からにょきりと生えた巨大な６本煙突が目印。世界的な総合食器メーカーに育った、その原点を思い起こすモニュメントということです。 　その原点というと１８７６年、日本の漆器や骨董品の輸出販売が始まりですから相当古い。陶器製造を手がけるのは１９０４年。これがノリタケブランドの発祥です。敷地内の施設群の中心、クラフトセンターの１、２階ではその製造工程を実際に眼にすることができます。３、４階は戦前の作品、いわゆるオールドノリタケの展示フロア。モダンで繊細な美術品のような皿や花瓶の優雅さ、壮麗さには息をのむほど。 　面白いのは食器デザインの「画帖」。戦前にニューヨークで仕事をしていた日本人絵師のもので世界に一つしかない貴重品ですから、ぜひお見逃しなく。 　さてここまで「陶磁器学」を勉強すると、今度は自分で作りたくなる人もいるはず。で、階下には体験コーナーが用意されている寸法です。皿やカップ、置物の絵付けで３０分から１時間ほど。これなら気軽に挑戦できそうですね。 　クラフトセンターのほかにも見どころはいっぱい。ノリタケ製品のアウトレットショップもあるし、レストランやギャラリーもある。自然環境を復元したビオトープを巡る遊歩道もある。 　なかでも子どもたちに大人気なのが、森村・大倉記念館。ここはセラミックの可能性を探る展示館。赤レンガの建物の内部はハイテク空間で、入館者の興味をそそる楽しい趣向がいっぱいです。 　入館すると手渡されるのが「ナビカード」。これを館内の多彩な装置にかざしたり、長さや温度を測ったりするたびに、ポイントが増え、最後にコンピュータに差し込むと何やら不思議な絵柄が…。 　展示装置は浄化技術やらトイレの脱臭やら水に浮くセラミックやら、先進技術のオンパレード。その威力を知るのに、各自のナビカードがカギになる、という演出がとてもいい。子どもも大人も夢中になって装置を覗いている姿が印象的でした。 　次は名古屋のお隣り、「七宝町七宝焼アートヴィレッジ」へ。ノリタケの森からは一本道、３０分足らずで到着します。 　「昨年春にオープンした最新施設です。作品鑑賞から製作風景、創作体験と尾張七宝のすべてを知ることができます。奥深さにビックリしますよ」 　道中、なごやかガイドの小川さんから予備知識を仕入れて入館。七宝焼の呼称から日本古来のものと勘違いしそうですが、発祥は紀元前のエジプト。 　日本では幕末のころに画期的な技法が開発されます。この地の梶常吉さんが編み出したもので、それが尾張七宝の始まりとか。 　今の有線七宝は当時の技法が磨き上げられたもの。模様を銀線で区切り、その区分ごとに彩色して焼き上げる技法ですね。 　その技の冴えはもちろんですが、驚くのは作品の幅の広さ。展示ゾーンには皿や壷のほか、灰皿や鏡枠、傘の柄、それに地球儀などもある。こうした意外性にも七宝焼のふところの深さが感じられます。 　館内には絵付けや釉薬さし、研磨など製作工程の実演ゾーンもあり、興味深いけれど、人気はやはり七宝焼体験教室。何しろ世界で一つしかない花のブローチ、ネクタイピン、ペンダントが手に入るわけですから。 　ただし、ほんの片手間というわけにはいきません。作品によってはたっぷり２時間、チャレンジしてもらわないと。七宝焼の奥深さを知るためにも。 今回のなごやか ガイド 　「名古屋人はいったん親しくなると、本当に細やかな人情を見せてくれる。じっくり腰をおろして暮らすにふさわしい土地柄ですね」という小川さん。なごやかガイドの経験も豊富で、「北は青森から南は九州まで、万博効果で全国からお見えになります」。人気は名古屋城、徳川美術館、熱田神宮で、とくに「徳川美術館は全国屈指の内容。ぜひ訪れて」と強調する。「それと名物料理も味わってもらわないと。先日、千葉県のお客さまを納屋橋の名古屋コーチンの店にご案内したら、大感激されたほどで」と、味の情報収集にも余念がない。 小川芳樹さん （西部営業基地） 見どころMAP PDFデータ PDFファイル（426KB） map.pdf

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