|
チェコは東欧では旧の東ドイツと並ぶ工業国。自動車産業や鉄鋼、それにビールも盛んに生産されています。首都のプラハはもちろん政治・経済・文化の中心地。どんどん近代化が進む一方、ゴシック様式の聖ビート大聖堂、カレル大学など旧市街には数百年から千年以上も前の建物が建ち並び、圧倒的な迫力で歴史の重さを伝えてくれます。
それだけに各国から観光客が訪れます。その足といえば、もっぱらタクシー。1993年に(スロバキアと)分離独立した当時は、タクシーといえばチェコ国産のシュコやルーマニアのダツィアなど古い車ばかり。シートも油や埃まみれが多かったのですが、現在はそんなことはありません。もちろん「まだ走るのだろうか」と怖気づくような車もありますが、西欧なみの新車がぐんと増えましたから、その点は心配無用。利用も簡単。プラハの中心には乗り場がいたるところにあるし、自宅やレストランなら電話でOK。無線を使って最寄の空車を探してくれ、5分も待てばタクシーがやってきます。この素早さは日本と同レベルじゃないでしょうか。
車両はワゴンありセダンありとさまざま。色も統一されていません(ホテルや空港タクシーを除いて)。
ドライバー氏は総じて車好きですから、もし乗車中に退屈したら、その車を褒めてみるのもいいかも。ここぞとばかり、自分の車がいかに優れているか、たっぷりと説明してくれるでしょうから。もちろんチェコ語ですけれど(笑)。
もし、こちらがチェコ語が少しでも話せるとわかると、大変。「どこから来た」から始まり、「チェコは好きか、ビールはうまいか」と質問攻め。外国人のチェコ評に興味津々というわけですね。
こんな経験もしました。プラハの街は似かよった地名がまったく別の場所にあったりするんです。で、ドライバー氏が聞き違えて、別の場所に連れていってしまった。すると彼は勘違いをすぐ認めて平身低頭、加料せずに本来のところまで行ってくれたんです。気持ちいい振る舞いですよね。
ですが年々観光客が増え、プラハのタクシーも今や6000台。おかげで法外な料金を要求するタクシーも横行するようになりました。そのため当局は対策に本腰を入れ、職員が観光客になりすましてタクシーに乗り、眼を光らせています。
その効果が現れるまでは、電話で呼べる無線タクシーがおすすめですね。こちらは英語で電話が通じますから、安心して利用できます。
これからプラハは秋本番。日本とは一味違った東欧の秋をぜひ体験してください。
【プラハのタクシー料金】
初乗りは34コルナ(約150円)、その後1キロごとに25コルナ(約125円)。都心から空港までは350コルナ(約1600円)、所要時間は20分ほど。夜間・休日も同一料金。チップは「きりのよいところ」が目安。料金が197コルナなら200コルナというふうに。1チェココルナ=約4.5円。 |  |
|
|
|