この記事は2005年9月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

HOME名タクマンの隠れわざ



 低音が耳に心地よく響き、決して大きくない声でも、きちんと言葉が伝わってくる…。そんなステキな声の持ち主が、入社32年の大ベテラン牧勝己さん(62歳)です。

 現在は、ハイヤー営業基地で配車業務を担当。恵まれた声を生かして、お客様からの電話を受けたり、営業係と業務連絡を行う一方、私生活では趣味の域を超えた特技として、カラオケを楽しんでいます。もちろん歌唱力は折り紙つき。アマチュアながらプロ歌手の前座を務めたほどの腕前(?)です。

 きっかけは、今から20年近くも前のこと。馴染みのカラオケ喫茶で、ばったり演歌歌手の吹越通さんに出会ったのです。吹越さんは作曲家の船村徹さんと並ぶヒットメーカー桜田誠一さんの門下生。ヒットを狙って各地でプロモーション活動を展開している最中で、歌唱力のある牧さんに前座を頼んだというわけです。

 「ギャラもない、まったくのボランティア出演ですが、人前で歌って拍手をいただく快感はすばらしいですね。一度味わったら忘れられません」

 出演料はなくても、折あるごとに吹越さんから、歌い方や発声の指導を受けたのが大きな財産という牧さん。歌唱力にさらなる磨きがかかりました。

 「歌、とくに演歌はノドの奥から、言葉を息にのせて出すことが大切なんですね。そして言葉の一つ一つにメリハリをつける。そうすると歌の心が聞く人の心に、染み入るように伝わるんです」

 そう語りながら、口先で声を出したり、ノドの奥から声を出したりして、実際にやってみせてくれます。なるほど、確かに違います。

 そして、もうひとつ「いつも音楽を聴きながら、体全体を動かしてリズムを取るように心がけること。そうすると、いつの間にかリズム感がよくなります」ともアドバイスしてくれました。

 歌を聞く分には、ジャズもポップスも好きですが、歌うならはやり演歌という牧さん。定年を迎えたら演歌のカラオケ教室を開くのが夢だそうです。

 「歌は上手下手に関わらず、楽しければいいと思いますが、それでもせっかく歌うなら、下手よりは上手なほうがより楽しいですよね。そんなカラオケの楽しみを、多くの人たちと共有したい。それが私の夢なんです」と語ってくれました。



HOME名タクマンの隠れわざTOP