この記事は2006年6月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

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  家庭菜園を始めて5年。「土をいじっていると、心が癒されますね。それに手間をかけた分、大きく育ってくれるでしょう。そういう野菜を見ていると、自分も元気になれるんですよ」。こう語るのは、名タクに入社して2年半を迎える営業係(乗務員)の池尾邦夫さん、52歳です。

 たまたま住んでいる町で市民菜園利用者の募集があり、軽い気持ちで応募したところ、くじ引きで当選。全くの素人ながら、家庭菜園の本を片手に、苗を植え、草を取り、せん定しているうちに、すっかり畑の魅力に取りつかれてしまったようです。

 市民菜園の契約期間が過ぎてからは、“草取りをすること”を条件に、100坪(約330平方メートル)を超える田んぼを借用。ここを畑にして、玉ねぎ、ねぎ、トマト、きゅうり、里芋といった定番野菜から、ゴーヤ、たらの芽、フキ、山芋、茶豆、メロン、ごぼうなどなど、思いつくままにトライ。今では種から育てていて、腕前はプロ級のようです。

 おまけに畝(うね)は、いろいろな形の“島”をつくるなど遊び心がいっぱい。

 そして畑の真ん中にはバーベキューコーナー。時々は仕事の手を休めて、ここで魚を焼いたりお茶をしたり…。空と緑に囲まれて、とても気持ちがいいのだそうです。

 「私は福井県の九頭竜出身で、家がダムに沈むまで住んでいました。学校まで片道10キロという山深い田舎で、休みの日には両親と山菜を取りに行き、その場で調理して食べていました。当時は味噌もしょうゆも、豆腐もこんにゃくも、みんな自家製。家には電気もガスもなくて、今思えばキャンプのような生活でした」と懐かしそうに語る池尾さん。

 畑に行くと、その頃の思い出がよみがえるのでしょうか。時間を忘れてしまうようです。

 ちなみに野菜づくりの先生は本。最初は基本通りに作り、慣れてからは少しずつ自分流にアレンジしたりもしています。

 「最近、思うのですが、仕事も同じですね。最初は無我夢中で車に乗っていましたが、今は自分流のやり方を考えて、それを試しています。それで成果が出るかどうか考えていると、仕事も楽しくなりますね」と前向きに語ってくれました。



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