この記事は2007年12月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

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 南米大陸の南にあって太平洋に面したチリは帯のように細長い国。南北は4千数百キロなのに、幅は平均わずか170キロ。

 この地形のユニークさが気候や風景に及ぶのは当然ですね。北部には世界一乾燥した砂漠が広がり、そこから順にステップ気候、温暖な地中海気候と下って、パタゴニアと呼ばれる南部は極寒のツンドラ気候。

 この多様な大自然をぜひこの目でと、観光客は増える一方。砂漠にしろ、ツンドラの大森林にしろ、どこもかしこも雄大そのものなんですから、1年中が観光シーズンというわけです。

 その観光客を迎える表玄関が首都サンチャゴ。チリのちょうど真ん中、アンデス山麓の高原にある人口500万人の大都会。

 市街は地下鉄もバスも走っていますが、大荷物や急ぎの場合はやっぱりタクシー。観光にもうってつけです。大通りには流しのタクシーがあるし、地下鉄駅やスーパーの近くには乗り場もある。どこでも気軽に乗り降りできます。

 タクシー車両は黒と黄の2色で、屋根にマークがあるから見分けも簡単。日本人にはお馴染みの日産が多いから親しみやすいですね。ただし年式は実にさまざま。快適な最新型もあれば、なかには博物館の展示品のようなシロモノまで走っています。

 日本と違うのは、看板に行き先を書いた乗り合いタクシーが走っていること。空港に降り立って間もない観光客なら、まあ利用しないほうが賢明ですね。 タクシーはほとんどが個人経営。ドライバー氏は定年退職後の人、それに本業を終えてから夜間アルバイトにハンドルを握る人も多いようです。

 応対はといえば、これは陽気なラテンアメリカそのもの。とにかくおせっかいなくらい面倒見がいいのがお国柄なんです。私も車内ですっかり仲良くなって、そのままドライバー氏の家で夕食をご馳走になったこともあるほど。

 もちろんこれはドライバーに限りません。

 青空にカテドラルがひときわ映える広場や新鮮な魚介が山積みの市場を歩くと、「ブエノスディアス(おはよう)」と陽気なチリーノやチリーナ(チリっ子ですね)が声をかけてきます。

 みんなと一緒にとれたての生ウニを肴に、特産のチリワインで「サルー!(乾杯)」。 この大らかな人情味ととてつもない大自然がチリのご馳走。どうです一度味わってみては? お正月のサンチャゴは気温20度、快適そのものですから、ぜひ。

サンチャゴのタクシー料金
初乗りは200チリペソ(50円)前後。都心から空港までは所要時間40分で15000チリペソ(3000円)ほど。休日割増しはないが深夜割増しはある。サンチャゴのタクシーは基本的にメーター制なので事前交渉の必要はない。チップもとくに必要はないが、つり銭をチップ代わりに残していく習慣はある。1USドル=500チリペソ。1ドルを110円とすれば1円=4.5ペソ。



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